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2010年12月

2010年12月15日 (水)

陶彫制作 2

模型が完成したところでいよいよ大作に挑む。
といっても灯油窯の大きさの都合で高さ80センチ以内に限られてしまう。
分解して組み立てればもっと大きくできるが、最近年齢のせいか面倒くさいことはしたくない。
よって今回は2点組でいこう。

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模型から寸法をとり、計算するのは最初の底面だけ、あとは成り行きに従うのだ。
たとへ計りながら作ったとしても粘土の収縮によって必ず誤差が生じるのだ。


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気候と粘土のコンディションによるがここまで作るのに10日ほどかかってしまった。
全体が見えてきたところで2作目に取りかかる。


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底面はしっかりと叩いて伸ばすこと。あるていどは土台を固めてから積み上げる。


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内底の仕事は手のとどくうちにすませよう。
1作目にもどって、ぼちぼち下が固くなってきたので塗り土をしなければ。


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塗り土をするタイミングは固すぎても軟らかすぎても駄目、ちょうど良い時期を見計らって行なう。
固くなっってしまった粘土に水気の多い土を塗るとヒビ割れの原因になるし、柔らかすぎると鋸の目がつぶれて面白くない。
小さい模型では形が出来上がってから始めれるが、大きくなると積み上げ途中から下から始めなければならない。


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これほどの塗り土をするには相当たくさんのヌタ(粘土を水でドロドロに溶かしたもの)が必要だが、よく練られた粘土は水に溶けにくく、水をつけてこねたり電動ロクロにかけたりしても大量につくるのは大変だ。
もっと簡単にヌタを大量につくるには、粘土を平にしたものを大量につくり、天日に干して完全乾燥したものを水につければ簡単である。完全に乾いた粘土は吸水性が良く、粉状にしなくても簡単に溶けるのだ。
したがって、あらかじめいろんな種類の粘土片の完全乾燥をつくっておけば便利である。


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今回の土は模型と同様、備前1号(鉄分が多い)80%と古信楽土細目20%を混ぜたものをベースに、美濃磁器土と、備前マルE
(鉄分の少ない)土を混ぜたものを塗り土に使用。


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高さ80センチで完成、計画通り。色は焼いてみなければ分からない。


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再び2作目へ。
同じ様に作ろうとしても多分ぜんぜん違ってくるだろう。
石膏型にすれば近いものになるだろうが、そこまでする必要はない、むしろ違って当然だと思う。


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1作目より背が高くなりそうだ。


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塗り土しながら頂上まで積み上げ、フタをする。


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フタを少し固く乾かして鋸目をつけてヌタで接着する。
内側に手が入らなくて粘土を締めれない時はこの方法が確実だと思う。


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1作目と同じ塗り土。


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1作目が焼きあがった。
これを焼くのは3ヶ月後の予定。


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2010年12月23日 (木)

灯油窯 2

窯詰め
まず大きな陶彫から場所を確保、あとは大きな隙間ができないように全体を組み立てる。
窯の半分は棚を組んで陶芸体験の作品を詰めた。

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窯焚き
陶彫の大きさが前回よりも大きいので低温では慎重にならねばならない。
1基目点火で100度以内を19時間、2基目点火で150度まで6時間、3基目点火で200度まで6時間、4基点火で760度まで13時間かけ、素焼き温度を超えたら一気に最高温度1280度まで4時間、合計約48時間焼成した。

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窯開け
前回より最高温度を10度高くしたからか、焼ムラも少なく焼き色も良い。

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陶彫の出来はどうだ。

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思っていたよりシマ模様のコントラストが弱い。
あんまり強すぎるのも嫌なので微妙な差にしたのだが・・・、まぁしばらく風雨にさらして時間がたてばちょうど良くなるだろう。


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